NC旋盤加工の作業前基礎知識

NC旋盤を使い始める前に最低限知っておきたい知識です。もちろん、汎用旋盤の使い方や基礎知識も重要になってきます。

【NC旋盤加工でできること
NC旋盤の機能を簡単にまとめると、
①主軸を回転させる。
②X軸方向(直径方向)にバイトを動かす。
③Z軸方向(軸方向)にバイトを動かす。
④刃物台の工具を交換する。
となります。これら4つの動きを組み合わせることで、様々な形状の部品を削り出すことを可能とします。
汎用旋盤と同じく、①の主軸の回転では、回転数(rpm)の設定が重要になります。
②および③のバイトの移動では切削時の送り速度と切り込み量の設定が重要になります。
また、④の工具交換はNC旋盤特有の機能です。精密な部品を製作するために、工具の設定(取付位置の初期設定)が重要になります。

NC旋盤加工の運転モード

NC旋盤を動かす際のモードとして、手動運転モード、MDI運転モード(1行ずつのプログラムコードで操作するモード)、自動運転モードがあります。
さらに、プログラム作成やファイル操作をするときのプログラム操作モード、工具位置を設定するための工具データ設定モード、座標操作をするための原点設定モード、パラメータ設定があります。これらのモードの切り替えは、すべて操作パネルで行います。
【補足】
上記のモードにおいて、工具データ設定モードと原点設定モードは最初の設定時のみ使用します。パラメータ設定はほとんど使用しません。手動運転をする場合は、手動運転モードとMDI運転モードを使います。(手動モードだけでは主軸を回転させることができません。)自動運転をする場合は、主に自動運転モードとプログラム操作モードを使用します。

ペダル操作 油圧チャックと心押し台の操作

NC旋盤加工の油圧チャックと心押台の油圧スリーブの操作は、床面に設置してあるフットスイッチ(左写真)を使用します。
右写真において、左のフットスイッチが油圧チャックの開閉に使用いたします。右の2つのフットスイッチは芯押し台の油圧スリーブの移動に使用します。これらの操作は、手動運転・自動運転など、すべての運転で使用することになります。なお、心押し台自身の移動は手動で行います。

 

生爪を使う

NC旋盤加工の機械1

汎用旋盤加工では硬爪(かたづめ)と呼ばれるチャックを使います。これは手動で操作するものが多く、小さい直径からある程度の大きい直径まで様々な形状の材料を固定することができます。
 一方、NC旋盤加工では生爪(なまづめ)と呼ばれる油圧チャックを使います。新しい生爪は、そのままでは材料をしっかりとチャックすることができません。使用する前には、材料の形状(外径または内径)に合わせて削っておく必要があります。

生爪を削る

NC旋盤加工の機械2

生爪を削る際には、チャックメイトと呼ばれるジグを使うと便利です(左写真)。これをチャックに固定すると、チャックをしっかりと閉めた状態で、材料の直径に合わせた生爪の加工が可能になります。チャックメイトを使わないで生爪を削る場合は何らかの材料(できれば実際の加工物と同一の材料)をチャック中央に固定しておくことになります。

 

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